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二万打記念のフリー小説なのに一万打記念と内容続いてるってどうよ?
ってなカンジですが、どちらも単品で楽しめる仕様(?)なので気にせずお好きな方をお持ち帰りくださいませ。

こんなアホなキラーとペンギンと愉快なハートの仲間達しか出てこないサイトですが、ここまでこれたのもサイトに来てくださる皆様のおかげです。本当にありがとうございます。

それではつづきからどうぞ。
雰囲気的にR15でペンギンがキャラ崩壊おこしてますが気にしたら負けです。


 



「はははっ!それで片腕切られたってかぁ?ペン坊」
「・・・うるさい。」

船長命令で勝手に部屋を出ることを許されないペンギンの元に訪れたバンは、腕を無くした経緯を聞いて笑い飛ばしていた。
不本意だ、とでも言いたげなペンギンは、ベットの上で三角座りでゆっくりとコーヒーを飲んでいた。ペンギンの好みにあわせて淹れられたブラックのコーヒーの匂いがゆっくりと部屋に広がっていく。
その匂いに混じり、微かに香る甘い匂いはバンが咥えている煙草のものだ。
バンが仕事をする機関部は禁煙のため、喫煙者のペンギンの部屋に時々やってくる。
今は患者の身のため、煙草を吸えないペンギンは少しふて腐れていた。

数日前、戦闘で船長のローを庇って被弾したペンギンに怒りを露にしながらも自ら治療にあたったローは今、かなり不機嫌な状態だ。
何をされようとも反抗することは許されず、ペンギンは右肩から指先までの身体を失っていた。
しかもその腕を恋人であるキラーに貸したというのだから始末におけない。とペンギンのテンションは下がる一方だった。

「しっかしよぉ。人間片腕ないだけで、随分不便なもんだな。」
「あぁ。おかげで仕事もまったくできない。」
「あの坊主のこった。それも見越して利き腕持ってっちまったんだろうよ」

ペンギンやキャスケットよりもだいぶ後に仲間になったバンは、船で一番年上なせいもあってか、船長への態度も他の船員とまったく変わらない。
トラファルガー・ローを中心として世界を形成している者が多いこの船において、少し珍しいタイプの船員といえる。
気に入らないものは気に入らないとはっきり言うバンの物言いは船長も気に入っているのか、とくにおとがめを受けたことはないようだ。

「で?腕はどうなってんだ?」
「・・・どうやら持ち帰られたらしい。」
「そりゃあ外で腕持ち歩いてたら騒ぎになるどころじゃねぇからな」
「妙なことをされなければいいけどな」
「ま、片腕相手にナニするでもねぇだろ。」
「な・・・っ!?されてたまるか!」
「だよなぁ。ま、あいつも馬鹿じゃねぇんなら、下手なことはしねぇさ」

バンの言葉で急に腕のことが心配になってきたペンギンの顔は赤くなったり青くなったりしている。
余計なことを言ってしまったか?とばつの悪い顔でフォローを入れたバンは、ペンギンの頭を一撫でして仕事へ戻っていった。

「バンの奴・・・俺はキャスケットじゃないんだぞ・・・」

完璧に年下として扱われることに不満が残るペンギンは、サイドテーブルにマグを置いて、くしゃくしゃになった髪を整えた。

「あ・・・」

その時、右の掌に何かが触れた。
反射的に右腕の方を見るも、やはりそこに腕はない。
手の甲を何かに包み込まれ、掌を上に返されている。

「ん・・・っ」

すると、掌に少し暖かくて、やわらかいものが触れる。おそらく指先だ。
その指先がゆっくりと掌の上をすべり、文字を書いているのだとわかった。

「ぺ・・・ん・・・ぎ・・・・・・・・・・・・なにやってんだアイツ・・・」

書かれているのが己の名前だと気付いたペンギンは、自分でもわかるほど赤面してしまった。
顔の熱さを覚まそうと額に手をやるも、冷める気配はない。
名前を書いただけで何もしてこない相手に、ペンギンは溜め息をつきながら、目を閉じ、離れた場所にある右手を動かした。
目を閉じると、右腕がまだ自分と繋がっているような気がしてきて少し不思議だ。

『な ん だ』

キラーの掌と思しき場所に指でそう書くと、小さな振動が伝わってきた。
きっと笑っているのだろう。意表返しに手をつねってやれば、まるで謝っているかのように手を撫でられた。
自分の手より、少し体温の高い指先の感触が心地良くて、無意識にその指を握る。
綺麗に切りそろえられた爪や骨ばった関節に触れているうちに、あぁ、やはりこれはキラーの手なのだ、と感じたペンギンは、夢中になってその手に触れる。
武器を持つキラーの掌は固い部分と柔らかい部分があって、武人と呼ばれる男の強さが現れているようだ。
暫くそうやって、じゃれあうように互いに手を触れ合わせていると、ふと、キラーの手が右手を柔らかく包み込んだ。次に、肘の少し上あたりを掴まれる。
何をしているのかペンギンが疑問に思っていると、次の瞬間

「っあ・・・!!」

肩近くの二の腕に、何か柔らかいものが触れた。
それが一体何かなど、ペンギンには考えずともわかってしまった。

「な、にを・・・・・・っ」

突然腕に落とされたキスの上に、生暖かい何かが皮膚を這っていく。
驚きに声が裏返ってしまったペンギンは、己の口元を手で覆うも、閉じるのを忘れた口からは、びりびりと伝わってくるようなその感覚に、声が漏れ出してしまう。
無意識に口の中で舌がぴくりと反応した。

「は、ぁ・・・・・・」

一つ、二つと残されていくキスの感触。
チュッと音が聞こえてきそうなほどのキスは、確実に赤い痕が残されているだろう。

「あ、の・・・バカッ・・・っあ・・・」

なんとか歯を食いしばって腕に力を入れるも、体重をかけられているのか、腕はぴくりとも動かない。
皮膚を這うように舐められ、時折あま噛みを残していく。その唇の後を追うように長い前髪が腕をかすめてくすぐったかった。

「っひ・・・!」

そうこうしている間に男の唇は手首まで到達し、強く吸われた。

「この・・・いいかげんにっ、しろっ!!」

なんとか男の拘束をふりほどいて仕返しを行っていると、その途端、自室の扉が開いた。

「・・・なんだ?お楽しみ中だったか?ペンギン」
「せ、船長・・・!?」
「なかなかそそるだろ?そういうプレイも。」
「こんな趣味、俺にはないっ!」

ペンギンは恥ずかしさのあまり、頭まですっぽりと布団にもぐりこんでしまった。
もしかしたらさっきの声を聞かれていたのではないか?と思うと、とても船長の顔を見る余裕なんてなかった。

「それにしちゃぁ随分と楽しそうだったがなぁ?」
「こ、これはあいつが・・・!」
「そうか?いい声で鳴いてたみたいだけどな?ん?」
「な、そ、れは・・・っ」
「触覚だけの刺激は、さぞやアタマに響いてきたろうなぁ」
「うぅ・・・・・・」

ローの執拗な追い込みにペンギンは布団の中で頭を抱える。
右手で調子に乗った男の頬を思いっきりつねって鬱憤をはらそうとするも、いっこうにペンギンの心は晴れない。
一方ローは、先程まで不機嫌だったのが嘘のようにニヤニヤと上機嫌な笑みに戻っている。
本人は知らないだろうが、ペンギンは余裕を無くすと少し子供っぽくなる。そんな様子を久しぶりに目にしたローは満足げに声を出して笑った。
それがなんだか悔しくて、ペンギンはさらに恋人の頬を強くつねってしまう。

「泣くなよペンギン」
「・・・泣いてない。」

布団の中で蓑虫のように丸まっている相棒を慰めるように撫でるも、聞こえてくるのは「あいつ・・・絶対殴る。もう殴る。来たら殴る。すぐ殴る。」という、なんとも暴力的な言葉ばかりだった。

「悪かったよ。明日はまぁ・・・キラー屋を部屋に上げるくらいはしてやる。」
「!」

今まで船長命令を撤回したことのなかったローの言葉に、ペンギンはぴくりと反応して、そろそろと布団から顔を出す。

「本当、か・・・?」
「あぁ。直接会って殴ってやれよ。イタズラされたお返しな」
「っ!!!!」

片腕にいらぬ接触をされていたことを改めて視線を交わしたまま言われてしまい、ペンギンは再び布団へもぐりこんだ。
見えない腕は、いつの間にか温かい何かに包まれていた。

「ったく、本当にキラー屋のこと気に入ってるんだな。お前は」

皮肉まじりのその声に、もう否定も肯定もしてやるもんか。とペンギンは指先に力をこめた。
掴んだ先にある暖かい体温に、心の中で『ばか』と呟きながら。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次の日キラーは部屋に入った途端、ペンギンの左ストレートをくらいます。
はい!もうね!終わっとけ!みたいなね!!!

本当はキラーに触られながらナニをナニしちゃうまでやっちまおうかと思いましたが、フリー文にすることを思い出して自重したよ!
常に変態街道をひた走るキラペンですが、生暖かい目で見守ってやってください。

・・・コレ本当に二万打御礼になってるのかな?
皆さんの求めてるキラペンのナナメ上に行ってるとしか思えないんですがwwwホンットすみません。反省してるんで存分に当家キラーを殴っちゃってください。きっと喜びますんで←(!?)
 
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