どこにもたどりつかない。 うさぎとオオカミの恋 忍者ブログ
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タイムゴーズバイバイ!のスミさんへの捧げもの。
原作沿いペンギンと年上彼氏なキラーの話です。
初期捏造の二人とかなりキャラが違うので、キャラ設定を見てからの閲覧をオススメします→


 




月の浮かばない闇夜が広がる港町の、安宿の一室。
一階にある酒場の喧騒がかすかに聞こえるその空間で、ペンギンは目覚めた。
ゆっくりと意識を浮上させながら現状を整理する。

確か今晩は、久しぶりに再会したキッド海賊団と合同で飲み会があって、進められるがままに普段飲まない量の酒を飲んでしまい、誰かにこの部屋に運ばれたのだ。
我ながら情けない、と痛む頭を抑えながら上半身をおこす。
いつもきっちり上までとめているはずのツナギが、腹のあたりまで下ろされていた。
あたりを見回すと、ベットヘッドのアイアンにいつも被ってる防寒帽が引っ掛けられており、ここまで運んでくれた者の配慮だろうか、サイドボードには水差しとグラスまで置かれている。
随分と気の効いたマネのする奴がいるんだな。と、ぼーっとしたままの頭で考えていると、部屋の扉が開いた。

「ん?なんだ。起きていたのか」

ペンギンの視線の先にいたのは、特徴的なストライプ模様の仮面に、派手なシャツを着こなした男・・・キッド海賊団のナンバー2、キラーだった。

「キラーまさか、お前が・・・」
「気にするな。俺がしたくてやったんだ。」

水でも飲むか?と、すぐ傍までやってきて、伏せていたコップを手に取り、水を注ぐ手つきに目がいってしまう。謝罪も礼もいらないと、そう言われてしまえばペンギンも言葉を返すことができない。

「ん。」
「・・・ん。」

すいっと目の前に差し出された水を両手で受け取り、口に運ぶ。
酒で焼けた喉につめたい水がしみわたる。

「酒、弱かったのか?」
「そうでもないよ。」

いつも酒の入る席では、酔って暴走するクルーを嗜める役として、あまり飲まないようにしているペンギンだが、今日ばかりは自分も飲んでしまったらしい。

「キャスケットなんか、酔いはじめるともう止まらなくてさ。誰かれ構わずキスしてくるんだ」
「・・・・・・ふぅん。」

自分の船の船員のことを楽しそうに語るペンギンを、キラーはベットに腰掛けて大人しく聞いていた。普段は防寒帽の影になって見えない視線がまっすぐにキラーの仮面へと向けられている。慣れない相手だと顔をあまり見ようとしないペンギンだが、元々顔がわからないせいもあってか、キラー相手では抵抗なく視線を向けてくる。
それがキラーにとっては、嬉しくてたまらないらしく、楽しそうに笑うペンギンを眺めているのが何よりも幸せな瞬間でもあった。

「・・・と、そういえばこの部屋・・・借りたのか?」
「あぁ。もともと“そういう目的”のためにある部屋だ。店を借り切ってるなら勝手に使っても構わないだろうさ。」
「そういう、目的・・・・・・」

その言葉の示す意味に思い当たったペンギンは途端に顔が赤くなった。
「それは、えっと・・・」と声もしどろもどろになり俯いてしまったペンギンに、キラーは残念に思いながらも仮面の下でほくそ笑む。
知らぬ間にシーツを握り締めていたペンギンの手にキラーの手が重なる。
それに驚き視線を上げた先には、仮面に手をかけ、表情を露にしたキラーの姿があった。
久方ぶりに見る思い人の顔に、ペンギンは思わず見とれてしまう。

「さっき言っただろ?」
「え?」

ごとりと、仮面が床に落ちる音が聞こえた。
その顔が、先ほどよりずっと近くなっていることにペンギンが気づいた瞬間には、既にキスが唇に落とされていた。
驚いたペンギンの手からグラスが零れ落ちる。ガシャンと床に落ちた音に重なって、キラーの言葉がペンギンに向かって落とされた。


「俺がシたくて、ペンギンをここに運んだんだ。」


にやりと肉食獣を思わせる笑みを間近で見たペンギンの肩がぴくりと震えた。
どうしたらいいのかわからず、視線をさ迷わせるペンギンの顎に、優しくキラーの指が添えられる。

「どうする?嫌なら逃げてもいい。」
「どう、するって・・・」

あえてペンギンに選択肢を与えるキラーだったが、この状況でキラーがペンギンを逃がすつもりがないことなど、その楽しげな表情が語っていた。

「お、俺は・・・」

ペンギンの答えは既に、一つしか用意されていなかった。





明かりがついたままの、明るい部屋の中で音が響く。
安物のベッドのスプリングが軋む音。シーツのすれる音。そして、濡れそぼったペンギン自身からきこえる水音だ。

「っは、や、きらぁ・・・」
「力をぬけ。辛くなるぞ」
「んっ、はぁ・・・あぁ・・・」

接合された下半身がずっ、ずっ、とゆっくり挿入されていく感覚に背中を震わせながら、ペンギンは襲ってくる痛みと、それ以上の快楽に耐えていた。
元々あまり性欲が強い方ではないペンギンは、女との経験はあるにはあるが、行った回数は少ない。海賊なんて男所帯で暮らしていれば女を買う人間もいるが、ペンギンはそれもあまり好きではなかったし、興味もない。
性欲なんて自分にはないのではないか?と自分で自分を不感症だと勘違いしていたこともある。
だがその幻想も、キラーによって打ち砕かれた。

「ひっ、あ・・・い、や」
「そう言う割には、感じてるみたいだが?」
「っああ!」

キラーに触れられ弄られ、質量を増した自身からは先走りが溢れてくる。
いくら目を閉じていても聞こえてくるその音に顔が赤くなる。
こんなになってしまった自分が恥ずかしくて仕方ない。

「いやらしいな。ペンギンは」
「やっ!そんなっ、そんな・・・」
「そう顔を赤くするな。・・・虐めたくなる」
「くっ・・・キラーの、ばかぁ!」

なんとでも言え。とキラーはほくそ笑み、ペンギンの中に全て納まった己を、ゆっくりと動かし始めた。

「っやぁ!はっ、ん、きら、待って・・・!」

その動きに翻弄され、怒りに吊り上げていた目尻が下がり、とろんとした視線でキラーを見上げるペンギンは、誰の目から見ても快楽に浸りきっている。無意識のうちに揺れる腰も、上がる息遣いも、高揚して薄紅に染まる肌も、そのどれもがキラーを惹きつけた。

「だめ、も・・・イく、んぅ!」
「っ・・・」

頂点に達した快楽に、ペンギンは欲を腹の上に吐き出した。
途端に締め付けの強くなった内部にキラーも達しかけたが、ギリギリのところで自身を抜き去り、ペンギンの身体の上へと吐き出した。

「はぁ、はぁ・・・」

呼吸を整えるペンギンの汗で額にはりついた髪を、キラーの指がそっと払い、そこにキスが落とされた。
驚いたペンギンが目を見開き、キラーと視線がかちあう。
ペンギンの黒曜石の瞳と、キラーの空色の瞳が交差し、二人は沈黙する。

「キラー・・・」「ペンギン・・・」

沈黙を破って相手の名を呼んだのはほぼ同時だった。
それが何故かおかしくて、二人ともふっとふきだして笑い合う。
その後に続く言葉は、きっと同じだと感じながら、二人は幸せな夜をすごした










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タイムゴーズバイバイ!のスミさんに捧ぐ!

『本誌ペンでキラペンを!』とのことだったので、自分の中の本誌ペンギンを曝け出してみました。思った以上に初心で自分でもびっくり(笑)キラーがヘタレてない・・・だと!?と驚かれること必至ですが、ウチの本誌仕様キラペンはこんな感じで進んで行きます^^
こんな駄文でよければスミさん!もらってやってください!!www

 
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