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キャスケット過去捏造話。
そのうち長編で書きたいです。予定は未定だけどね!
あとこれ書く時、BGMに某笑顔動画の[歌ってみた]を聞いてました。キャスの声がもーこの人にしか聞こえない・・・!我が家のキャスケットのイメージに合った曲なので興味のある方は是非聞いてみてください^^
↓
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm9889980
それでは[つづきはこちら]から本編へどぞ。
夢を見た。
とてもとても懐かしい夢だった。
今ではもう思い出すこともしなくなった昔のこと。
北の鈍色の海に浮かぶ、真っ白な建物ばかりが並ぶ町。
俺が捨てられ、新しく生まれた町。
『お前、名前は?』
俺に最初に声をかけたのは、その後、俺が親父と呼ぶことになる男だった。
『ねぇのか?まぁいい。坊主。ちょっと手伝え』
男は殺し屋だった。人に頼まれ人を殺し人の命を金にする仕事。
男は俺に一本のナイフをくれた。そして、生きるための術を教えた。
料理や裁縫から身を守る術。金のスリ方。サバイバル技術。そして人を効率よく殺す方法・・・
男は俺に名前をつけようとしなかった。
名前をつけるのは己の所有物だと主張するための行為だと教わった。
『名前なんてつけたら情が移っちまうだろ?』
そう言って笑った。
俺を俺として扱ってくれた、最初の人間だった。
殺伐とした、それでもどこか温かい日々だった。
それは男が殺されるまでの数年間続いた。
『お兄さん、どうしたの?』
次に俺に声をかけたのは、真っ白な髪に赤い目をした子供だった。
依頼された標的に返り討ちに会い、片目を無くした日。
なんとか逃げ出して、大きな屋敷の裏手に忍び込んだ月夜のことだった。
日のあたる世界を歩けない子供は、俺を“初めてのトモダチ”だと言った。
それから俺は月夜に度々トモダチに会うようになった。
子供は昼間の空を、青い海を見たことがなかった。
『きっと、キミの目のようにきれいなんだろうな』
そう言って俺の目を飽きもせずずっと見ていた。変わった子供だった。
優越感と罪悪感を知った。
人殺しはできなくなったけど、それ以上に大事なものを手に入れた。
それは子供の家族が皆殺しにされて、大きな屋敷が焼き払われるまで続いた。
俺は殺した。
殺して、殺して殺して、殺して殺して殺して、
殺して殺して殺して殺してころしてころしてコロシテ、
そして泣いた。
トモダチを抱えて。冷たくなっていく子供を抱いて。
朝焼けに染まる海岸まで、俺は歩いた。
『すごく、きれい』
それが子供の最後の言葉だった。
俺は冷たく重い体を抱く。
空を見上げた。
見えたのは、青い空ではなく・・・
『で?お前はどうするんだ?』
黄色いパーカーを着て、大きな刀を手にした男だった。
男は笑う。
『お前は何がしたい?何が見たい?何を手に入れたい?』
悪魔のように、悪鬼のように、
『お前が一番欲しいものをやるよ。』
甘く優しく耳に注がれる言葉。
『海賊は強欲でなきゃいけねぇ・・・なぁ?“キャスケット”』
だからお前の心も、体も、命も全部、おれのものだ。
鈍色の目がそう言った。
その日俺は死んだ。
男が俺の全てをさらってしまってから今まで、
俺は、“キャスケット”として、生き続けている。
「おれ、は・・・」
「・・・ャス。おいキャス。起きろ」
「っ!?」
唐突に目が覚めて、俺は飛び起きた。
視界に入ったのはいつもの船内の談話室。
俺を起こした船長と、見張りから戻って来たベポと、次の島で調達する備品について話し合うペンギンとカゲロウがいた。
「お前寝すぎなんだよ。仕事しろ仕事。」
「俺は今から休憩ね!」
「珍しくよく寝てたな。」
「船長~そういう時はもっと劇的な起こし方すると一発で起きるよ~?キスとか接吻とかベーゼとか」
「全部一緒だろ。」
誰かがかけてくれた毛布と、ふかふかのソファの感触。
船長の手に薄く残る消毒液の匂いと、眠る前まで飲んでいたホットミルクの匂い。
「ほら、落ちてたぞ」
ぼーっとしてると、寝ている間に床に落ちていた俺の帽子を船長が拾った。
「船長」
「ん?」
船長と目が合う。
鈍色の目は何も語らない。語る必要がないからだろう。
「・・・いえ、なにもないです。」
こみ上げる幸福感のままに笑えば、「なんだ。言えよ。気持ち悪ィから。」と頭を乱暴に撫でられた。
「ちょっと・・・昔の夢、見てただけです。」
瞼の上から左目に触れる。
ここには今、赤みを帯びた目が一つ治まっている。
服の中に隠したナイフも、あの時からずっと俺の傍にある。
「最近、めっきり思い出さなくなってたんですけどね。」
船に乗って最初の頃は、それこそ毎晩見ていた夢。
幸福とは言いがたい、それでも俺が俺であるために必要だった、
“キャスケット”が生まれる前の話・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去に愛した人を思い返さなくなるくらい、今を幸せに生きること。
それがその人に対する敬意に繋がる。
そんな話です。
キャスケットの過去については色々妄想しどころなんですが、ウチの子はこんな感じで落ち着いてます。ダイジェストでぐっと短く書いたら訳わからない文になりましたwごめんなさいww
ちなみに最初に拾われるまでは色々あったせいでヒネた性格になっちゃったみたいです。
空を見上げた。
見えたのは、青い空ではなく・・・
『で?お前はどうするんだ?』
黄色いパーカーを着て、大きな刀を手にした男だった。
男は笑う。
『お前は何がしたい?何が見たい?何を手に入れたい?』
悪魔のように、悪鬼のように、
『お前が一番欲しいものをやるよ。』
甘く優しく耳に注がれる言葉。
『海賊は強欲でなきゃいけねぇ・・・なぁ?“キャスケット”』
だからお前の心も、体も、命も全部、おれのものだ。
鈍色の目がそう言った。
その日俺は死んだ。
男が俺の全てをさらってしまってから今まで、
俺は、“キャスケット”として、生き続けている。
「おれ、は・・・」
「・・・ャス。おいキャス。起きろ」
「っ!?」
唐突に目が覚めて、俺は飛び起きた。
視界に入ったのはいつもの船内の談話室。
俺を起こした船長と、見張りから戻って来たベポと、次の島で調達する備品について話し合うペンギンとカゲロウがいた。
「お前寝すぎなんだよ。仕事しろ仕事。」
「俺は今から休憩ね!」
「珍しくよく寝てたな。」
「船長~そういう時はもっと劇的な起こし方すると一発で起きるよ~?キスとか接吻とかベーゼとか」
「全部一緒だろ。」
誰かがかけてくれた毛布と、ふかふかのソファの感触。
船長の手に薄く残る消毒液の匂いと、眠る前まで飲んでいたホットミルクの匂い。
「ほら、落ちてたぞ」
ぼーっとしてると、寝ている間に床に落ちていた俺の帽子を船長が拾った。
「船長」
「ん?」
船長と目が合う。
鈍色の目は何も語らない。語る必要がないからだろう。
「・・・いえ、なにもないです。」
こみ上げる幸福感のままに笑えば、「なんだ。言えよ。気持ち悪ィから。」と頭を乱暴に撫でられた。
「ちょっと・・・昔の夢、見てただけです。」
瞼の上から左目に触れる。
ここには今、赤みを帯びた目が一つ治まっている。
服の中に隠したナイフも、あの時からずっと俺の傍にある。
「最近、めっきり思い出さなくなってたんですけどね。」
船に乗って最初の頃は、それこそ毎晩見ていた夢。
幸福とは言いがたい、それでも俺が俺であるために必要だった、
“キャスケット”が生まれる前の話・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
過去に愛した人を思い返さなくなるくらい、今を幸せに生きること。
それがその人に対する敬意に繋がる。
そんな話です。
キャスケットの過去については色々妄想しどころなんですが、ウチの子はこんな感じで落ち着いてます。ダイジェストでぐっと短く書いたら訳わからない文になりましたwごめんなさいww
ちなみに最初に拾われるまでは色々あったせいでヒネた性格になっちゃったみたいです。
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トキガネ
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文とか絵とかコスプレとか色々手を出していたりするダメ人間。いろんなことに迷走気味
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