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バン×カゲロウ×キャスケットでキャス総受け3P話・・・です。
まだエロパートじゃないです。続きが18禁になるので注意!
しかしバンさん初登場が18禁ものっていいのだろうか・・・まぁいっか!!


 




「俺さぁ。やっぱバンのこと嫌いだわ。」

いつだったか。バンはカゲロウに正面きってこう言われたことがある。
至極楽しそうに、にこにこと微笑んで言われた言葉に、バンは一瞬面食らったが、すぐにいつもの表情にもどって「そうか。」と返答を返したのだった。
何故そう言われたのかは、その時は見当もつかなかったバンだったが、今更ながらぼんやりと、その理由を理解しはじめていた。

キャスケットが、バンに非常に好意的に接していたからだ。

キャスケットというのは、バンが入船することになった海賊船の中で一番歳若く、少年のように明るい男だった。少しからかっただけでキャンキャンと煩く鳴いたかと思えば、どうでもいいことですぐ落ち込む。かと思えば、戦闘となれば誰よりも早く敵の大将めがけて突っ込んで行くという、なかなかに破天荒な性格の男だが、バンはキャスケットのことをそれなりに気に入っていた。
昔飼っていた犬に似ているというのもその原因ではあるが(何せ性格がそっくりだったものだから)、素直に可愛いと思っているからだ。

『っつっても、30過ぎのオッサンと18の子供とじゃあなぁ・・・』

年齢がそれなりに離れているせいもあってか、距離の測り方がいまいちわからないバンはとりあえずキャスケットの好きにさせていた。
休憩時間のたびに船の動力室に遊びに来てはバンの後ろをくっついてきたり、夜にこっそりキッチンの隅で晩酌していると、どこからともなくふらりと現れたり。街に出れば一緒に買い物に行きたいとせがまれたりと、暇さえあればキャスケットはバンと一緒にいるようなっていた。
これで絆されない訳がないだろう。と、バンは頭の中でひとりごちて、溜め息をついた。

「えへへ~バン、どしたの?もう酒飲まないの?」
「あぁ。目の前でべろんべろんに酔ってるバカ犬のこと考えてたんだよ」

それを聞いたキャスケットは「いぬ?」と言葉をもらして、酒のせいで赤くそまった顔をきょとんとさせながら首をかしげた。
ザルでもないのに酒が好きなキャスケットは仲間に進められるがままに何本もビール瓶を空にしてしまっていた。今しがたもバンが手にしていたグラスをひったくって一気に飲み干してしまったのだ。

「あー美味い・・・これなに?」
「ブランデーだ。あっちにあるから、飲みたきゃ勝手にとってこい」
「んー別にいい!バンと一緒にいたいしー」

そう言ったキャスケットの細い腕はバンの首に回され、すりつくように接触してきた。
バンは誰かに助けを求めたかったが、既に生贄よろしく二人きりで放置されてしまっていて、先ほどまで同じ席についていた仲間は他のテーブルへと移った後だった。

『別に気に入られるのはかまわねぇけど・・・』

問題はキャスケットの酔い方だ。と、バンはへらりと笑うキャスケットを見つめた。
途端に、その表情が近くなる。
チュッと、リップ音を響かせて、キャスケットはバンの唇にキスをした。
抵抗しないでいると2度3度と唇を押し付けてくる。4度目で舌を出してきたのに驚き、バンはキャスケットの頭を軽く殴る。

「いたっ」
「舌入れんな。っつーかキスもやめろ。」
「え~バンはキス嫌い?」
「嫌いとか好きとかじゃねぇだろ。酔った勢いでするもんじゃねぇ」

わかったか?と殴った部分をぽんぽんと撫でてやれば、またへらりと笑い、「やっぱ俺バンのことすきっ!」とさっきよりも強く抱きついてきた。キス魔の次は抱きつき魔かよ、とバンは再び溜め息をついたが、

「あぁキャス。ここにいたんだ?」

後から聞こえた声に驚いて振り返った。
そこにいたのは黒いジャケットに白いワイシャツ、アイボリーのスラックスをはいた長身の男がいた。黒いウェーブがかった髪に黒縁フレームの眼鏡がどこかうさんくさい空気をまとっている。

「あ。おっかえり~カゲロウ」
「こんな時間まで偵察に行ってたのか?」
「まぁね。色々してるうちにこんな時間になっただけだよ。」

きゃらきゃらと笑うキャスケットの頭を撫でながらカゲロウはいつものように笑っていた。
だがその余裕の表情も見慣れたものからしてみれば彼が不機嫌なのだと見て取れる。
ねぎらいの言葉でもかけてやろうかとバンは口を開いた途端、キャスケットはバンから手を離し、カゲロウの服を掴んで鼻頭を押し付けていた。

「なんか、香水臭い?」
「あ、やっぱわかる?情報源に選んだやつが女だったからね」
「ふぅん・・・どこで会ってたんだ?」
「大人のお店♪」
「あはは~死ねばいいのに!」

辛らつな言葉でカゲロウを罵るキャスケットは心底楽しそうだ。
その言葉に、カゲロウも楽しげにこう返した。

「何?嫉妬してくれてんの?大丈夫だって~終わった後はサクッと殺しといたから」
「・・・おいコラ。何さらっと大胆告白してんだよ」

・・・ツッコミを入れずにはいられなかった。

「あーだからなんか鉄っぽい匂いもしてたんだー納得~!」
「そうそう。裸同士だったから服は汚れなくてすんだんだけどねぇ。さっとシャワー浴びただけじゃあ匂いってなかなかとれないよねぇ」
「わかるわかる~」
「・・・もういい。テメェらしゃべんな。」

酒の席の会話としてはかなり最低な部類の話を聞かされているうちに、バンは本日数度目の溜め息をついた。
バンもそれなりに人を殺した経験はあるものの、どちからといえば平和主義者であるバンは、人殺しは避けたい行為だった。
それをためらわずあっさりやってのけるこの二人に思うところがないわけではないが、自分より多くの修羅場をくぐっているであろう人間に何を言っても無駄だろうと考えている。

「ところで、キャスケット」
「んぅ?」
「今日の朝方に一人で街に出たりした?」
「え、あ・・・いや・・・・・・べつに」

突然の話題にキャスケットは目を泳がせている。
キャスケットは嘘をつくのが苦手なのだ。

「ふぅん?じゃあ俺が見つけた路地裏のゴミは、別に隠蔽工作しなくてもよかったわけだ?」
「え、えっと・・・」
「大変だったなぁー大柄な男三人、海に捨てるの。そっかーキャスケットじゃなかったのかーじゃあ俺は無駄な作業で半日が潰れたってことなんだねー」
「あ、あぅ・・・」

不機嫌オーラをのせたカゲロウの笑顔は、怒りの表情よりも迫力があって怖いと感じたキャスケットは、バンに助けを求めるかのような視線を向けたが、隣にいたはずの男はカラになった酒を注ぎ足すためにいつの間にか席を外していた。

「・・・・・・・・・ご、ごめんなさい」

簡単に折れたキャスケットの頭にカゲロウは手をのせ、まるで慰めるかのように髪を撫でる。珍しく許してくれるのだろうか?と期待をこめて顔を上げた。
が、変わらずにそこにあった。

「お仕置き、だね」

その笑顔に背筋が凍りついたキャスケットに、カゲロウは静かにキスをした。





・・・・・・・・・・・・・・・・・・
次回からキャスケットがあれやこれや大変なことに・・・なるといいなぁ\(^o^)/
ちなみにカゲロウとバンは仲悪いわけではないです。一方的にカゲロウが嫌い宣言してるだけで仲良しです。・・・それもおかしいかwww 
 
 
 

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