どこにもたどりつかない。 戯れの決闘01 忍者ブログ
携帯サイトに移転しました→http://umitokaze.3.tool.ms/

×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。



キラーとペンギンのガチンコ対決連載。
導入部的なものです。

 


きっかけは些細なことだった。
酒の席でいつものようにくだらない言い合いをしていた船長二人の今日の話題が、“自分の海賊船のクルーの方が強い”というようなもので・・・
「子供かアンタは!」と誰もが自分の船長に全力でツッコミを入れたくてそわそわしていたが、自分たちのことを船長がどれほど大切に思ってくれているかを実感できる数少ない機会なため、普段と同じように酒を飲み、バカみたいに振舞っていた。
ペンギンやキラーもその例に漏れず、我関せずと二人で酒を飲み交わしていたのだが、いかんせん、船長たちと(半ば無理矢理)同じテーブルに座らされている以上、会話から逃れることができなかった。
その結果が・・・これだった。





「で?なんで俺達が決闘をすることになるんだ?」

背中合わせになった己より少し背の高い男に向かって、ペンギンはこめかみを引き攣らせながら怒気を含んだ声でそう問いかけた。

「結局どちらが強いかわからないから、副船長同士戦わせるという結論になったんだよ」

忘れたのか?とキラーが普段と変わらない口調でそう返せば、「出来れば忘れたいよ」と背中から声がかえってきた。

場所は港。綺麗に舗装された地面には石一つ落ちていない。
片方は海。もう片方は扉が固く閉ざされた造船所。
そして互いの目の前には、普段から苦楽を共にするクルー達の姿があった。
二人はその真四角に切り取られたその空間の中央に立っている。

「二人ともー!準備はオッケー?」

聞こえてきた声の方向に二人は視線を向ける。
造船所の扉の前に立ち、片手にメガホン、片手に銃を持っている人物。
ハートの海賊団のカゲロウだ。

「ルールは超簡単。相手が戦闘不能になるか、降伏したら即終了。残った方が勝ちね!制限時間は五分間だよ~」
「・・・証人がお前の時点でやる気が失せる。今すぐ死ね」

嫌悪感を隠そうともしないペンギンの気配に、機嫌が最高潮に悪くなっていることを知ったキラーは、仮面の下に大量の冷や汗をかいていた。

「いやぁ~だって船長直々のご命令ですから?」

ねぇ船長?とカゲロウが真上を見上げる。
その先には造船所の屋根の上。
フィールド全体を見渡すことができる特等席に、月明かりをバックにした二人の人影があった。
そのうちの片方が、楽しげに笑う。

「あぁ。他の奴じゃ、ペンギンにかた持っちまうかもしれねぇからな。」
「確かにねぇ・・・あ、言い忘れてたけど!相手殺しちゃったらその時点で勝者も死刑にしちゃうから気をつけてね~♪」

「そういうことだ」と笑う男に、ペンギンは溜め息をつくことで了解した。
確かにアイツなら、どちらを殺すのにも躊躇いは感じないだろうな、と心の中で一人ごちながら、帽子を深く被りなおす。
これから始まる戦闘へ意識を集中し始めたのか、ペンギンの気配が途端に静かになった。
それにキラーは内心ほっと胸を撫で下ろしていると、不意に声がかかった。

「おい、キラー」
「・・・・・・・・・なんだ。キッド」

今まで静かに見下ろしていた男が口を開き、その口元がにやりと三日月型に歪む。
そして、一つの命令が下った。

「勝てよ。」

その言葉にキラーはこくりと頷き、再び視線を正面に戻した。

『あいつらしいな・・・』

その言葉に含まれる意味を汲み取ったキラーは、ペンギンにある提案をした。

「なぁペンギン。」
「・・・・・・なんだ」
「せっかくの決闘だ。楽しくやろう」
「はぁ?お前たちは決闘まで遊びでやるのか?」
「そういう性分だ。戦いは楽しい方がやりがいがある」
「だが・・・」
「勝つ自信がないのか?」
「なんだと・・・?」

ぴくりと、ペンギンの肩が反応する。
互いに背中をぴたりとあわせた状態のため、些細な変化もよくわかった。
ややあって、ペンギンが声を殺して笑った。
そして、いつもより低く落とされた声がキラーの耳に届く

「上等だ。吠え面かくなよ」

その声に、キラーは今まで感じたこともないほどの衝動が見の内に湧くのを感じた。




戦いの号砲が鳴り響く。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
無駄に続く!wwww
なんだかんだいって、いつもいちゃいちゃ甘々なので、キラーとペンギンを戦わせてみることにしました^^キッド海賊団は船長を筆頭に戦い大好き集団だといいなぁ~なんて思います。
対するハートは必要最小限の戦闘しかしないスマートな集団かな?
次回、戦闘シーン突入ですが頑張ってみようと思います^^;
次当家初のペンギンとキラーマジ殴り合いが繰り広げられる予定なのでこうご期待ww
 
PR


どこにもたどりつかない。
design&photo by [Aloeswood Shrine / 紅蓮 椿] ■ powerd by [忍者BLOG]
忍者ブログ [PR]
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール
HN:
トキガネ
自己紹介:
どこにでもいるオタク。
文とか絵とかコスプレとか色々手を出していたりするダメ人間。いろんなことに迷走気味
携帯日記
ご意見・ご感想はこちらから
ブログ内検索