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キラーのお誕生日記念小説です。
いつにもましてグダグダですが、なんとかできあがりました。
私はどうして記念物になると短編が書けないのでしょうか・・・
計画性がないんですね?わかります。







「今日は全部俺の奢りだ。」

いいな?と同意を求めない問答を終わらせてペンギンは歩き出した。
久しぶりのデートに誘う理由づけに自分の誕生日が今日であることを告げたキラーであったが、まさか本当に相手が釣れるとは思っていなかったので少し意外に思っていた。
あまりそういった記念日に固執しないタイプだと思っていたのだ。ペンギンは。
しかも今自分達がいる島は夏の気候だ。ただでさえ「夜は暑いから一回で済ませろ」「昼間盛ったら殺す」と、いつもよりイロイロと制限されているのに、昼間からのデートに加え、夜はなんとペンギンがわざわざホテルをとってくれたらしい。
ただの記念日ごときでそこまでするか?とペンギンに言うと、何言ってんだ?と首をかしげた。

「記念日だからするんだろ?ウチの船じゃあ、クルーの誕生日は盛大に祝うのが普通なんだよ」
「ふぅん?」
「まぁ全員本当の誕生日でもないけどな。全員船長に名前貰った日のことだし。」
「ペンギンの誕生日はいつなんだ?」
「・・・そのうち教えてやるよ」

そう言ってふっと笑ったペンギンがやけに色っぽくて頬が緩む。
今日の格好はいつものツナギではなく、黒のタンクトップにカーゴパンツにサンダルというラフな姿だ。真っ白な肌に映える刺青と鎖骨がキラーにとっては照りつける太陽より眩しかった。

「お。アイスクリーム・・・」

歩いているうちに差し掛かった公園の中、ペンギンはアイスクリームを売り歩くワゴンを遠くに見つけた。

「食べるか?」
「お前は?」
「じゃあ、イタダキマス。」

食べたそうにそわそわしているペンギンに、大人しく奢られることにしたキラーは笑って恋人の手を引きながら少し歩調を速めてワゴンの前へとやってきた。
色とりどりのフレーバーの中からペンギンが悩みに悩んで選んだのは、チョコミントとバニラフレーバーが混ざったものだった。どことなくその色合いが、自分がいつもしているマスクと似ている気がして少し気恥ずかしい。
「お前も選べよ」とせかされて、真っ青な色をしたソーダフレーバーを選ぶ。

「なんか・・・体に悪そうな色だな」
「ペンギンこそ。よくチョコミントなんて食べれるな」
「嫌いなのか?」
「食いながら歯をみがいてるみたいな味がな。」
「ん?でもそんなミント強くないぞコレ」
「うそ」
「ほんとほんと。」

食べてみ。とアイスを差し出されて少し口に入れる。バニラも混ざっているせいか、たしかに甘い。でもやっぱりこの味は苦手だった。それが顔に出たのか、ペンギンは楽しそうにクスクス笑っている。

「お前のもくれよ」
「色、嫌じゃなかったのか?」
「ゲテモノも好きなんだよ俺は。」

ほらよこせ。と手首を掴まれ、強引にアイスをかじられる。残っていたアイスの3分の1がなくなってしまった。

「ん・・・まぁまぁだな」
「こんだけ食っといてまぁまぁか。」
「うるさい。どうせお前、俺にがっつくんだろう?食っておかないと体がもたないんだよ」
「カロリー重視か。」
「なにか問題でも?」

ばくばくと食べすすめていたペンギンは、最後に小さくなったコーンを口に放り込んだ。

「お誕生日様のために俺が張り切ってやろうって言ってんだから、覚悟しとけよ?」
「・・・俺の好きにさせるって選択肢は?」
「んー・・・ないこともないが、それはモノにもよるだろ?ま、どうしてもしたいことがあるなら先に言っといてくれ。それなりに心の準備はするから」
「・・・・・・・・・じゃあ、」

ペンギンを引き寄せて、キラーは耳元でぼそぼそと『しててみたいこと』を耳打ちする。
はてさてどんな反応が返ってくるのかとキラーが内心戦々恐々としていると、

「・・・お前、なぁ・・・・・・っ」

ペンギンは罵倒するでもなく鉄拳を振り下ろすでもなく、真っ赤になって俯いてしまった。
さっきまで男らしかったペンギンはどこへやら。いつものペンギンに早変わりだ。
キラーはトドメの一発といわんばかりに、「ね?お願い」と笑顔で顔を覗きこむ。
なんだかんだいって、ペンギンが“オネガイゴト”に弱いことを知っているのだ。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今回、だけだそ」
『ッッしゃぁぁぁ―――――っっ!!!!』

控えめな返答の声に心の中でガッツポーズを決めたキラーは無意識にアイスを食べきって手元に残ってしまっていたコーンを握りつぶした。
後ろでぼそりぼそりと「この色魔・・・エロ魔人・・・絶倫大王・・・」と悪口を言われているがあえて無視を決め込むことにした。

「あー・・・なんだコレ?なんかまたお前にのせられてる気がすんだけど?」
「気のせいだろ?ほら。今日は俺、誕生日だし。」
「はぁ。なんでこんなヤツ好きになったんだろうな。俺は」
「ゲテモノ好きだからじゃないか?」
「・・・・・・違いない。」

ペンギンがお決まりの言葉をもらして、二人で苦笑しあう。
今年の誕生日は、特別な一日になりそうな予感がした。










・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2月2日。キラーお誕生日おめでとう!
年下相手にいい格好したいお兄さんペンペン。でも結局受けだから格好良くなりきれない・・・そんなヤツが、すきだ!
キラーは完全に調子にのってますね。でもお誕生日だからたまには良いことがあっても許される・・・かな?^^
続編は書くかどうか悩み中です(笑)

 
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