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ペンカゲ小話。ちょいグロ注意?
カゲロウについてペンさんが思うこと
そいつのことを言い表すとすれば『変人』の一言で事足りるだろう。
平穏な日常で過ごしている人間にはない独特の空気を持っている。
・・・間違っても仲良くはなりたくないタイプの人間だ。
「や。遅かったねペンギン♪」
「・・・・・・・・・。」
そんなことを考えながら裏路地の酒場に入ると、その変人が一人、室内で唯一無事なテーブルについていた。
「ペンギンが来るまで暇だったからさ。全部片付けといたよ」
ニヤリと口元を歪ませて笑うのが奴の癖だ。
皮肉げに見えるそれが本心からもれる笑みというのには最近気付いた。
まぁ、そういったものは人間の持つ個性の一つだと割り切れるが・・・死体がいくつも転がる室内で平然と食事をとっているのは正直どうなんだろうかと考えてしまう。
「・・・片付けたと言う割には随分ちらかってるな」
「だねー。なかなかサクッと殺せなくてさーまいっちゃったよ。」
調合間違ったかな?と足元に横たわる斑の肌をした死体をつま先でつつく。
伏せているため顔は見えないが、苦しみ悶える姿が目に浮かぶようだった。
「・・・で、情報は聞き出せたのか?」
「情報?あぁ、前に俺達の船襲撃した奴等のことね。聞いた聞いた。」
こいつらに、とステーキを切り分けていたナイフで死体を指した。
日頃から敵の情報を掴むための手段として、こいつには諜報活動に出てもらうことが多かった。バレれば即死亡という危険極まりない仕事だが、本人はそのスリルすら楽しんでいるようで、毎度それに付き合わされるキャスケットにとってはかなりツラいものだろう。
「報告を聞こう。カゲロウ」
男の名を口にすると、やはり楽しそうにニヤリと口元を歪ませた。
カゲロウという名は船長がつけたものだ。
フラフラと生き、実体が存在しないイメージがこいつにピッタリだと笑っていた。
確かに、こいつの中には善悪の区別は愚か、信念やポリシーといったものも存在しない。
気まぐれに人と戯れ、今を楽しみ、飽きれば捨てる。
そんな性分の奴を船に引き入れた船長の心意はわからないままだが、どういった訳かカゲロウは船長を裏切る気はないらしい。それだけわかっていれば俺には十分だった。
「船はこっから西に行ったあたりの別の入り江に停泊してるらしいよ。残数は船長含め37人。迫撃砲はタマ切れ。銃の残り弾数も少ないからこの町で調達する予定だったみたい。」
「そうか・・・ご苦労だった。」
「どーいたしまして。」
「ところで・・・キャスケットはどうした?お前と一緒に行ったはずだが?」
酒場のどこを見渡しても派手なキャスケット帽子は見当たらなかった。
派手に血を流して倒れている肉塊ばかりが周囲に転がっている。
・・・嫌な予感がした。
「あの子ならもう行っちゃったよ」
楽しげに笑いながらカゲロウはテーブルの上にあるワイングラスに酒を注ぐ。
甘い匂いの漂う、血のように赤い液体をカゲロウはゆっくりと味わうように飲んでいた。
「どうやら敵サン、こっちの船がある場所知っちゃったみたいでさ。あ、俺達がバラしたわけじゃないから。町の人間に聞いたって言ってたっけなぁ・・・そんで、今夜にでも忍び込んで船長殺しちゃおうって話してたもんだから・・・」
「なるほど・・・それでこの惨状か。」
武器を扱うことのできないカゲロウがこの人数を血染めにすることはなかなか難しい。
元々武器を扱わないカゲロウは殺しに何らかの薬品を使うことが多く、その遺体には人間の肌とは思えないような斑模様が浮かぶ。テーブルの周囲に転がる遺体がそれだ。
そして、それとは対照的に、部屋の大半を占める血染めの肉塊は十中八九、キャスケットの仕業だ。
歯止めのきかない殺気を撒き散らすキャスケットは殺し方もなかなか派手だ。隠蔽工作に向かないだろうな・・・
「うん。だってほら、あの子キレたら怖いじゃない?止めたら俺が殺されちゃうよ」
「・・・だからって単独行動を許すな。なんのためにお前がついてるんだ」
「あれ?俺の監視のためにキャスケットつけてたわけじゃないんだ?」
「・・・・・・・・・。」
「ま、どっちでもいいけどね。今頃もう終わってるよ。」
迎えに行ってあげれば?と言うカゲロウはどこまでも楽しげだ。
奴には俺も、船長も、キャスケットも、もちろんこの場に倒れているかつて人間だった者達も、全て同じ。玩具のようなものなのだろう。
ただ、俺達の方が奴の興味を少し惹いているだけにすぎない。
「お前に言われずとも行くさ」
踵を返してキャスケットが行ったであろう船へと向かうことにした。
背後から追ってくる気配はない。
ただ皿の上で肉を切り分けるカチャカチャとした音が聞こえるのみだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ペンさんは仲間を大切にする人なのでカゲロウのことも理解したいと思ってるようですが、なかなかうまくいかないみたいです。
あとカゲロウさん。食いしん坊ってわけじゃないです。ただもったいないだけ(笑)
そのうちキャスケット視点も書くかも。
楽しげに笑いながらカゲロウはテーブルの上にあるワイングラスに酒を注ぐ。
甘い匂いの漂う、血のように赤い液体をカゲロウはゆっくりと味わうように飲んでいた。
「どうやら敵サン、こっちの船がある場所知っちゃったみたいでさ。あ、俺達がバラしたわけじゃないから。町の人間に聞いたって言ってたっけなぁ・・・そんで、今夜にでも忍び込んで船長殺しちゃおうって話してたもんだから・・・」
「なるほど・・・それでこの惨状か。」
武器を扱うことのできないカゲロウがこの人数を血染めにすることはなかなか難しい。
元々武器を扱わないカゲロウは殺しに何らかの薬品を使うことが多く、その遺体には人間の肌とは思えないような斑模様が浮かぶ。テーブルの周囲に転がる遺体がそれだ。
そして、それとは対照的に、部屋の大半を占める血染めの肉塊は十中八九、キャスケットの仕業だ。
歯止めのきかない殺気を撒き散らすキャスケットは殺し方もなかなか派手だ。隠蔽工作に向かないだろうな・・・
「うん。だってほら、あの子キレたら怖いじゃない?止めたら俺が殺されちゃうよ」
「・・・だからって単独行動を許すな。なんのためにお前がついてるんだ」
「あれ?俺の監視のためにキャスケットつけてたわけじゃないんだ?」
「・・・・・・・・・。」
「ま、どっちでもいいけどね。今頃もう終わってるよ。」
迎えに行ってあげれば?と言うカゲロウはどこまでも楽しげだ。
奴には俺も、船長も、キャスケットも、もちろんこの場に倒れているかつて人間だった者達も、全て同じ。玩具のようなものなのだろう。
ただ、俺達の方が奴の興味を少し惹いているだけにすぎない。
「お前に言われずとも行くさ」
踵を返してキャスケットが行ったであろう船へと向かうことにした。
背後から追ってくる気配はない。
ただ皿の上で肉を切り分けるカチャカチャとした音が聞こえるのみだった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ペンさんは仲間を大切にする人なのでカゲロウのことも理解したいと思ってるようですが、なかなかうまくいかないみたいです。
あとカゲロウさん。食いしん坊ってわけじゃないです。ただもったいないだけ(笑)
そのうちキャスケット視点も書くかも。
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文とか絵とかコスプレとか色々手を出していたりするダメ人間。いろんなことに迷走気味
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