どこにもたどりつかない。

 

ペンロ小話
しょっぱなからこんなのでいいのだろうか（笑）

俺が死んだらお前はどうする？と戯れに問いかけられた。
それはこの船の船長が言うにはあまりに不謹慎な問いかけだったが、まどろみかけた俺の脳は怒りの感情を奪っていった。
腕の中にある事後の熱ののこる体がもぞりと動くのを感じながら、どう答えを返したものか考えていた。

それが他者によってもたらされた死なら、まず黙ってはない。
相手を殺して殺して殺しつくしてもまだ足りず、その骨の一片すら残すことも許さないだろう。
ならばそれ以外ならどうだ？
不慮の事故や病。自殺によるものならはたして自分はどうするのか…
『ありえない。』
不慮の事故など自分があわせない。船を沈没させることもなければ体調を悪くさせることも許さない。本人はあまり気にしてはいないようだが、船長の口に入るものは全て把握しているし、毒性のあるものは近づけさえしないだろう。
自殺なんて考えもナンセンスだ。自ら死を選ぶというなら止めはしないが、まず間違いなく俺が本人に代わって息の根を止めてやるだろう。苦しむ暇もなく、一瞬のうちに終わらせてみせる。
そんなことをつらつらと言葉にすれば、問いかけた本人に「何がしたいんだよお前」と苦笑された。
愛したいのか守りたいのか殺したいのか。
しかしそんな問答をしている合間にも、睡魔は容赦なく俺を襲ってくる。
意識がふと遠のく一瞬、ただ傍に、と、呟いた。





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我が家のペンギンはこんなカンジの人。